和食の命出汁のとり方決め方のポイント

和食においては出汁、
フレンチにおいてはブイヨン
は命です。

その命を作るためには、
使う材料、火加減、水、温度、タイミング
等かなりデリケートな部分があるのです。

そのデリケートさが重なり、
お店独自の出汁ができるのです。

今回の記事も有料級です。
和食の命であるだしについて、
できる限りをお伝えします。

和食でのだしの重要性

和食でだしは命と言っても良いでしょう。
おいしいだしを作るために料理人
様々な工夫をこらします。

また一度作った出汁は
作り直しが出来ません。

後から調味料をいれても、
コクや旨味は作れないからです。

今の時代、
科学的に作られた顆粒状のものも
あります。

丘里では、
吸い物、そばつゆ、土佐酢、
名物力どりつゆ、だし巻き玉子の出汁等は
全てかつおぶしと昆布で取った一番出汁を
使います。

一方で
顆粒状のものは日持ちが良いため、
お弁当に使う煮炊きものを使う時
に使っています。

店で提供する商品と
仕出し料理で提供する商品を作る時とで
使い分けをしています。

画像はイメージ(写真ACより)

だしの作り方と使い方(用途)

丘里では一番出汁と二番出汁を活用します。

先ずは一番出汁の取り方です。
水は前日のうちに鍋に入れて、
一晩置くかまたは浄水器の水を使います。

前日から入れておくと、
水道水特有の匂いがなくなります。

次に昆布を少々固く絞った
布巾で拭いていれます。
丘里では利尻の最高級昆布を使っています。

火を着けます。
温度が90℃~95℃になったら、
昆布を取り出します。

沸かしてしまうと、
昆布の味が強くなってしまう
からです。

そうしたら火を止めて、
かつおぶしを適量いれます。
1~2分だったら出汁を濾します。

澄んだ出汁が取れたら合格です。
濁っていたり、色が薄かったりしたら、
プロセスに間違いがあったのでしょう。

なかなか
文章でお伝えするのは難しいですが…

これが一番出汁で吸い物含めた
出汁の旨さで召し上がっていただく
商品に使います。

次に二番出汁です。

二番出汁は一番出汁で使った昆布と
かつおぶしを鍋に入れて一番出汁に使った
水の量の半分の水を入れて今度は沸かします。

30分~40分で濾します。
二番だしは、味噌汁、煮物等に使います。

昆布は細く刻んで佃煮にします。

かつおぶしは乾燥させて
フードプロセッサーで細かくし、
正油、酒、味醂で汁気がなくなるまで煎り、
ふりかけにします。

この部分でも私のこだわりである
食材を絶対ムダにしないという理念
が反映されています。

なので全て使いきります。
食材のムダを作りません。

参照記事
原価率の低いメニュー開発をする具体的な方法

出汁を取ったらそこに調味料を入れ、
めんつゆ、土佐酢、その他のつゆを
作ります。

調味料や出来合いのものは、
メーカーによって全て違います。

丘里では
私が良いと判断した調味料やつゆ
しか使いません。

「醤油なら〇〇社の✕✕醤油」
と言った具合に調味料を含め、
全て使用するものは決まっています。

全て微妙に味が違うからです。
これは創業以来一番こだわり
全店舗で徹底しています。

このような出汁があるからこそ、
お店の名物メニューができるのです。

その最たる例が、
一番出汁を使って作る力どりであり、
圧倒的な名物メニューになるのです。

弊社の力どり

お店専用の濃縮だしをメーカーに作ってもらう

実は出汁を作り際に1つ問題があります。
それは味が常に安定しないのです。

作るスタッフにもよりますが、
使用した素材やその日の気温や湿度
火加減によって変わります。

同じ行程で作っても、
同じ味の出汁ができないことも
あるのです。

そこで丘里では、
オリジナルの出汁のティーパックを
メーカーに作っていただいております。

そのティーパックを使用して、
一番出汁、二番出汁を取っています。
こうすることで出汁の味が安定します。

もちろん作業効率もアップし、
当然人時生産性も上がります。

めんつゆなどの濃縮つゆは、
更に味を丘里仕様に作り直しております。

そのまま使うのではなく、
ちょっと手を加えることで
数段おいしくなります。

昨今、
人件費原材料費のが上がっております。

バランスを考えていかないと、
全てが手作りにするという訳には
いかなくなりました。

無駄を出さないように
基本を大事に料理を作って参りましょう。

この記事を書いた人

y.nakamura
y.nakamura
地元古河市で和食店の異なる業種を複数店舗経営しております。女将を中心とした店作りは複数のメディアで紹介されています。売れるメニュー提案を中心としたコンサルティングをしております。

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