飲食店で人時売上高を上げる理由とその方法

昨今最低賃金が上がり、
どこの飲食店でもスタッフが集まりづらい
状況になっております。

限られたスタッフを
いかに効率良く動いてもらうことで、
単価アップに繋げるかは
どのお店にとっても課題だと思います。

そこで重要になってくるのが、
人時売上高です。

今回の記事では、
飲食店にとって重要な人気売上高について
その重要性と上げる方法をお伝えします。

飲食店の人時売上高とは?

飲食店における人時売上高とは、
スタッフ1人が1時間でどれくらいの
売上を上げたのかを表します。

つまり、
どれくらいの売上をスタッフが
1時間で稼いだのかの指標なのです。

この人時売上高が高ければ、
当然人件費率は下がります。
逆に低ければ人件費率は上がります。

このことからわかるように、
飲食店が利益を上げる上で、
とても大切な数値なのです。

丘里のスタッフたち

人時売上高の計算の仕方

実際に人時売上高の計算方法は
人時売上高=売上高÷総労働時間
で計算します。

人時売上高の数値目標としては、
業態にもよりますが、
最低4,000円は欲しいところです。

お弁当屋やラーメン店等は
5,000円を越えている繁盛店も
あります。

単純に4,000円超えていれば、
平均で時給1000円払えるという
計算になります。

この総労働時間には社員も入ります。

社員は社会保険料が入りますので、
社員が多い店舗ではもっと高い数値
が求められます。

尚、丘里では
社員は1人一日10時間で計算しています。

人時売上高を上げるためのスタッフの意識付け

人時売上高を上げる具体的な方法を
伝える前にとても大切なことをお伝え
します。

それはスタッフの意識付けの話です。

丘里のお店では、
スタッフ1人1人に役割があります。

ホールトップの女将は、
客数、売上げ、客単価アップのために

  • マーケティングをしっかりやり、
  • お客様との信頼関係をつくり、
  • お客様のウォンツ及びニーズを訊き、
  • 料理と飲み物のおすすめします。

もちろん
基本はお客様が注文を決めています。

しかし、誤解を恐れず言うなら、
女将又は女将に準ずるスタッフが
決めて差し上げているのです。

ここを間違えると押し売りになりますし、
信頼関係が築けていないお客様に対しては、
二度と行きたくないお店になってしまいます。

総女将である旬おかさとの女将である
石塚女将に会いに来られるお客様は多いのです

常に私はスタッフに対して、

「あなたでなきゃならない理由は
 何かを明確に言えるようなサービス
 をしてください」

と言っております。

例えば、

「私を1時間使うことで、
 時給の4倍以上の売上を追加オーダー等で作れる」

と言うことができれば、
そのスタッフを使う意味があります。

「あなたじゃなくちゃだめだ、
 やっぱりあなたなんだ!」

と言ってもらえるスタッフになろう
と伝えています。

シフトに入ってもらうスタッフを選ぶ時も、
4倍以上の売上げをつくるスタッフを優先的
に使います。

ここは
時給が高いかどうかは関係ないのです。
入ってもらう価値があるからです。

私は19才から22才までの3年間
ベルギーブリュッセルの日本レストラン
で働いていました。

スタッフ32名中半分は日本人、
残りの半分はベルギー人でした。

外国人は給料に関して、
これだけのことをするから
これだけほしいと言ってきます。

丘里も給料は自己申告です。
その基準は1人1人の生産性です。
もちろん、利益を出している前提です。

利益は全てのスタッフの知恵の総和です。

利益に対する考え方を
パートアルバイトスタッフに至るまで、
トップが落とし込んでいるのかが大切
になるのです。

あなたの会社の経営理念
しっかりとスタッフに伝えていくことで、
スタッフの意識が変わります。

お給料は会社から出るものではなく、
お客様から戴いているという明確な意識
を持つことが重要なのです。

具体的な飲食店で人時売上高を上げる方法

では人時売上高を上げる考え方を
理解していただいた上で具体的に
上げる方法をお伝えいます。

こだわりに優先順位を付ける

私はメニュー開発時に、
パートアルバイトスタッフでも作ることができ、
他の店にはないものというこだわりがあります。

もっと言えば、
このこだわり以外はある意味、
捨てています。

つまり、
こだわりに優先順位を付けています。

このこだわりが、
人時売上高を高くしています。

なぜでしょうか?
それは力を入れるところを明確に
しているからです。

これはパレートの法則と言って、
優先順位上位20%に100%の力を注ぐと、
成果の80%は出ると知っているからです。

売れない商品に時間をかけても
無駄な労力を注ぐだけです。
職人でもある料理人の落とし穴でもあります。

私が開発したメニューは、
開発に時間とコストがかかる部分を省き、
確実に売れることを35年間で実証している
メニューたちなのです。

だから、人時生産性が上がるのです。
だから、売上が上がるのです。
だから、利益が上がるのです。

私の開発したメニューの1つ帆立のもろこし焼き

スタッフを育成する

ピークでおすすめトーク等で
客単価を上げれるように日頃から
トレーニングをすることです。

ピークを過ぎたら人員を減らすことです。

やたらにやってしまうと、
もちろん労働基準法に触れてしまう
ことになります。

スタッフに自発的に言ってもらうために、
信頼関係と飲食店経営について理解して
もらうことです。

理解してもらうことで、
「そろそろ上がりましょうか?」
とお店が落ち着いた時にスタッフが
申し出てくれます。

実際に丘里では
そのように申し出てくれるスタッフが
います。

実際は稼ぎに来ているのですから、
暇な時に上がっていただくことは
心苦しいです。

しかし、
店長とスタッフの間で信頼関係ができていれば、
容易にコントロールすることが出来ます。

厨房機器で人時売上高を上げる

厨房機器でも人時売上高を上げる
ことはできます。

スチコン(スチームコンベクションオーブン)、
フライヤー、釜めし炊き機、炊飯ロボット等
を使えば人時売上高を上げることが出来ます。

要は力を入れる優先順位を決めて、
人間の力を使うところと機材使うところを
明確にすることが利益に繋がります。

最低賃金がどんどん上がり、
人件費を圧迫しています。

良い人材を育て上げるのも店長の仕事です。
しっかりと利益を叩き出して、
スタッフの待遇改善もして参りましょう。

スチコン
今の時代飲食店でスチコンは必須ですね

人時売上高を上げる鍵は店長の遂行力

いろいろと述べてきましたが、
人時売上高を上げる鍵はトップ
あるいは実際にお店指示を出す
店長次第です。

店長はしっかりと
売上予測、出数予測、人員配置
をすることです。

これを
計画→実行→確認→コントロール
していくことです。

売上=客数×客単価×来店頻度
です。

その中でいかにして、
生産性を上げる人員を配置するか
が重要です。

もちろん、
日頃の教育が一番大事です。
人員を配置しすぎれば利益は出ません。

逆に少なければ、
お客様に満足いくサービスもできません。

お客様に喜んでいただき、
しっかりと利益を残すのは、
店長の腕にかかっています。

その店長を育成するのは誰ですか?
経営者であるあなたですよ。

この記事を書いた人

中村 康彦
中村 康彦フードスクエアカンパニー代表
丘里グループは創業50周年を迎えることができました。食を通じて「喜び、幸せ、そして感動」をモットーニ「人」の魅力で他の飲食店と差別化を図り、地元茨城県古河市でナンバーワン企業であり続けることを目指しております。

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