飲食店における8つの女将の仕事と役割

丘里は女性を中心に伸びて来た会社です。
その中で中心の役割を果たしているのが
各店舗の女将です。

私に相談をしに来る経営者さんたちは
皆さん口を揃えて女将中心の店づくり
を難しいと言います。

丘里では私が赤坂の料亭で修行した時に
見た女将の仕事ぶりをそのまま活かして、
体系化しております。

このブログでは、
丘里における女将の仕事と役割を
詳しく解説します。

非常に長い文章ですが、
女将を中心とした飲食店を作り上げたい
と思っている経営者には最適な内容です。

是非最後まで読み進めてください。

女将とは?

女将の仕事と役割を説明する前に、
そもそも飲食店における女将とは?
を知っておきましょう。

この点については、
他の記事で詳しく説明しているので、
そちらをご参照ください。

また丘里では以下の8つを女将の仕事と
しております。

8つの女将の仕事と役割

  • 売上を管理する
  • お客様をもてなす
  • マーケティング
  • サービスとクレンリネス
  • スタッフの教育・訓練・しつけ
  • スタッフの採用と労務管理
  • 店舗運営と社長基準
  • 報連相とバディシップ

1つ1つ詳しく説明していきます。

売上を管理する

売上の管理が一番大事です!
客数アップに関することも同じです。

ターゲット客に対して自分たちは、
何をもって選ばれているのかを
しっかり理解しなければ、
客数及び来店頻度は上がりません。

丘里では、
サービスよりもワンランク上のおもてなし
と言っています。

今どきマニュアル通りの接客では
お客様とのコミュニケーションは、
はかれません。

お客様に腰引けずに一歩二歩近づかなければ、
最善の選択はさせてあげられないのです。

・オーダー伺い
・新規営業
・宴会のご予約
全てにおいてです。

大切なことはお店の利益のためではなく、
お客様に最高の環境及び状況をご提供する
というコミットがあるかということ。

ベクトルがお店ではなく、
お客様に向いているか?
ということです。

売り上げ利益は
スタッフの知恵の総和ですから、
女将はコミュニケーション能力が必用
になります。

お客様をもてなす

あなたはお客様について、
どれくらい興味をもっていますか?

名前はもちろん、職業、お住まい、
家族の事までどれくらい知ってますか?
どれくらい関わってますか?

私が赤坂の料亭から戻ってきて、
一番最初にお店の女将である母に
伝えたことはこれです。

特に地方は人と人の繋がりで、
お客様は来店してくださり、
ご宴会等のご予約もいれて下さいます。

こちらを理解していただくのであれば、
先ずはお客様の事を理解に努める必要
があります。

これは商売の原理原則かも知れません。
“与えたら与えられる”
まさにその通りです。

してほしいと思うことをして差し上げる。
商売の黄金率ですね

信頼関係をつくりあげているからこそ、
お客様から心開いて何でも話せる状況
が出来るのだと思います。

もちろん、宴会、食事会の後に
礼状をお出しすることは当たり前です。

やり方も大事ですが、
女将としての在り方が問われます。
器の大きさも重要なんです。

マーケティング

自分の店に来られるお客様には、
何をもって選ばれているのか?
誰よりも知っているということが大前提です。

接待で使われるような店に、
住宅地図を拡げてローラー作戦で
ポスティングをしても効果が薄く、
無駄な販促費・人件費を使ってしまいます。

そういう店ならば、
会社訪問して担当者と会って
プレゼンテーションが適しています。

要はその店のお客様を真ん中に置き、
販促の仕方を考える事が大切なのです。

ターゲット客層も平日と週末では違いますので、
そこも明確にしています。

少ないコストで最大限の成果に繋げる
事がポイントです。

パレートの法則にあるように販促するにも
数少ない大事なこと20%と数多くの
その他の要因80%あるということです。

その20%に全力で力を入れる事が
成果に繋がるのです。

DMに関しても、
少ない予算で最大限の成果を出す方法を
女将研修では証して行きます。

優先順位が大切です。

料理長の役割でも述べますが、
名物商品・売れ筋商品・売り筋商品
があります。

この売り筋商品を説明力で販売していくこと
も女将の仕事なのです。

このマーケティングが
成長の三要素の一つとして大切な事
なのです。

ドアコールにも女将が率先して行きます

サービスとクレンリネス

丘里ではサービスを
サービスよりもワンランク上の
おもてなしと位置付けています。

ホスピタリティーです。

病院で患者さんをいたわるような
思いやりの気持ちで接することです
お客様との信頼関係を築く事が一番です。

この女将にはどんなことを話しても
自分の問題解決をしてくれる人だと
思っていただけるまで信頼関係を築く
ことが重要なのです。

それから、
お客様のニーズ及びウォンツを訊く
ことです。

この訊くは
聞くでも聴くでもありません。
質問しながら尋ねきく訊くです。

このときに女将さんが、
ご自身にコミットがなければ、
大切なお客様に最善の決断をさせてあげられません。

ここがポイントです。
これはスタッフに対する教育、訓練、しつけ
にも多大な影響を及ぼします。

簡単にいえば、
女将とは、スタッフ、お客様、そして関わる人々に
対してどれ程の影響力があるかということなんです。

やり方だけの話ではないんです!

言ってることとやってることの整合性です。
どこを切っても金太郎飴の状態でいる
ということです。

特にお客様、スタッフは、
言ってることよりもやってること
を見てますから

私の会社にはサービスマニュアルはありません

自分がお客様だったら、
どのように接していただいたら満足するのか?
を一人一人が考えて接客しています。

女将はそのリーダーですから、
当然お客様が望んでいる以上のおもてなし
で感動レベルの接客をしています。

スタッフの教育・訓練・しつけ

初期の理念教育

女将の社内で一番大切な役割です。
教育は主には理念教育です。
訓練はやり方のトレーニングです。

しつけはキッチンスタッフ含めて、
挨拶、時間、身だしなみ、言葉遣いです。
1つ1つ説明致します。

理念教育はもっとも重要です。
入社が決まると90分間のオリエンテーション
があります。

ほとんど経営理念の話をします。

私たちの経営理念は、
「喜び、幸せそして感動」
です。

私たちは食を通じて関わる全ての人々に喜びを贈ります。

これを一人一人に思いを伝えます。
もっともスタートとして大事な部分
です。

スタッフのトレーニング

スタッフのトレーニングは
サービス主任、女将代理、パートリーダーが行い
女将が進捗を管理しています。

目標設定をするのも役割の一つです。
スタッフとの夢の共有をします。
尋ね訊くことです。理解に努めます。

どうなりたいのか?
それはなぜか?
どんなプロセスで向かうのか?

1つ1つ明確にしていきます。

この時女将自身が不明確であれば、
スタッフにコミットを取り付けられません。

つまり、
仕事と人生の目標及び目的を明確
にしているのです。

特に目的(何のために仕事をするのか?)
とても大事にしています。

働くスタッフの話を良く聞き、
理解に努めながら仕事を覚えて
いただく事が肝要です。

スタッフのしつけ

丘里では、
挨拶は、明るく、いつも、先に、続けて
を上司が徹底しています。

入店時間は役職者は最低10分前、
スタッフは5分前出勤を義務付け
しています。

万全にお客様をお迎えするには
必要な時間と考えるからです。

もちろん身だしなみも
しっかりと指導しています。

男性スタッフのひげ、
規定範囲外の髪の毛の色など
マニュアルに合わない場合、
出勤出来ません。

非常にうるさく言っています。
この時間及び身だしなみは、
幼稚園レベルと言っています。

スタッフの言葉遣い

相手の自己重要感をあげるために、
オートマチック操縦法というもの
を使います。

Aは、ありがとう
Uは、うれしいよ
Tは、たすかるよ
Oは、おかげさま

これをたくさん使い
店舗内をプラスの言葉を一杯に
しています。

特にありがとうを
たくさん言うようにしています。

プラスのエネルギーの所に
人は集まりますから。

最後はスタッフ同士名前の呼び方です。
必ず名字でさん付けです。
男性女性上下関係なく”さん”付けです。

目的は
仲良しクラブにならないようにする
ためです。

仕事を志事と読んでいるぐらい、
真剣勝負なのです。

スタッフの採用と労務管理

スタッフを採用することと労務管理
も女将の大切な仕事です。

ホールスタッフの面接及び労務管理は女将さん。
キッチンスタッフの面接及び労務管理は料理長
がそれぞれ担当します。

しかし、
最終判断は社長代行者である女将
が判断します。

スタッフの採用

人もコストですから、
基準が緩いととんでもないことなります。
慎重にも慎重を課して採用していきます。

面接30分の中で面接者を見極めて、
自発的に仕事をしていただくという
コミットを取り付けることです。

k面接30分の中で面接者を見極めて、
自発的に仕事をしていただくという
コミットを取り付けることです。

この時の注意ポイントは以下の4つ。

  • 人が好きなのか?
  • 食べること、飲むことが好きなのか?
  • 夢はなにか?
  • どんな生きざまを魅せていきたいのか?

よく訊きます。
そして面接者に対して理解に努めます。

そして採用した新人スタッフは、
80時間かけ会社の理念教育をして
いきます。

ここが重要なのです。

スタッフの労務管理

今の時代、
労務管理は厳しくなって来ています。
もちろん、基準に反する事はあってはなりません。

わが社では基準に沿ったルールを設けて、
対応しています。

シフトに関しては毎月25日までに
サービス主任がつくるシフト表を料理長が精査し、
キッチン及びホールのシフト表が料理長から
上がってきます。

そこに役割を書き込んで
キャスティングを決めていきます。

シフトは、
営業日2日前から微調整を料理長と行います。
そこで売り上げ予測に沿って労働時間を
さらに決めていくのです。

労務管理はここが重要!

日によっては
予測通りに売上が達成しない場合
があります。

スタッフとの人間関係が出来ている女将さんは、
スタッフを早めに切り上げて調整するのです。

人が多ければ、総労働時間がかかり、
人時売上高が下がります。

お願いするのですから、
スタッフとの人間関係は大事なのです。

関係性が出来ていないと
「早く上がって」
と言えないのです。

人が少なければ、
お客様にご迷惑をおかけすること
になります。

今では成果にこだわっていますから、
スタッフの方から言ってくれます。
休憩時間もしっかりととっています。

休日も会社の決めた日数をクリアしていきます。

女将自身のオンとオフ!

仕事ばかりの姿だけではスタッフからみて
夢がなくなります。

オフ時間の使い方も管理下において、
計画的に使っていただくようにしています。

旅をしたり、
本を読んだり、
研修を受けたり、

様々です。

器を大きくしなければ、
トップリーダーにはなれませんので、
姿・形で証していくのが女将さんなのです。

店舗運営と社長基準

丘里には社長基準というものがあります。
他社では〇でもわが社では×もありますし、
その逆もあります。

私と母が始めた34年前のやり方、
考え方を基準に店舗運営をしています。

  • 来店からお帰りまでのプロセスにおいてのやり方とその意味
  • 朝礼/夕礼/ミーティングの意味
  • マーケティングに関して
毎朝各店舗で行われる朝礼

等全ての意味を伝えて、
全店舗で基準に沿った運営をしています。

書面にもしてあるので、
中途で入った社員は読むんで学ぶことが
できます。

ファイルで7冊ぐらいあります。
これが丘里の財産になっています。

そしてクレンリネスです。

店がきれいなのは今の時代は当たり前ですね。
私の会社ではクレンリネス+アトモスフェア
雰囲気づくりとしています。

もちろん、感動レベルであることです。

女将は店のなかでの役割は演出家なのです。
スタッフのキャスティングも握っています。

どのタイミングでお迎えをし、
オーダーをいただき、
おすすめトークをし、
料理を提供するときに美味しい言葉を言って、
会計時に何を言って、
どのようにお見送りをするのか?

丘里グループでは全て決まっています。
これも研修で詳しくやり方を完全解放
いたします。

生け花もホスピタリティーの1つです。
私の母である大女将は生け花の師範です。
全員の女将は生け花を習っています。

店に入った時に心がいやされますからね。

出勤時に女将は、
・クレンリネス
・アトモスフェア
・BGM

の状態を全てチェックするのです。
それからが丘里劇場の開演ですから。

私の出版した本
それは人材革命から始まった
にも詳しく書いてあります。

報連相とバディシップ

仕事をしていく上で、
とっても重要な事の1つとして
報告業務があります。

女将は、
現場で社長代行者としての役割
があります。

私の基準で

  • ものごとの良し悪しを判断し
  • スタッフに伝え
  • 成果を出して

私に報告します。

もちろん良いことばかりではありません。
よい報告・良くない報告もありますが、
包み隠さず報告する事が大切です。

これは、
私との信頼関係
で成り立っています。

私の会社では
バディシップ
と言っています。

見える所も見えない所も
同じ価値観で繋がっている
のです。

パートナーシップではなく、
バディシップなのです!
言うなれば一心同体です。

報告ができないかたとは
バディシップが構築出来ません。
経営者は報告できない人を嫌います。

人生においても、
現場でも、
生きざまで証して生きたいですね!

共に考え、
共に学び、
共に成長していくこと
にコミットしています。

そして、成果にこだわっています。
やり方ではなく、あり方が大事なのです。

女将は、
報告・連絡・相談に一貫性を持って
業務にあたっています。

だからこそ、丘里の女将たちは
売上と言う結果という形で成長
していくのです!

女将研修に参加して、
共に考え、共に学び、共に成長
しませんか?

女将研修の詳細は以下からご覧ください。

この記事を書いた人

中村 康彦
中村 康彦フードスクエアカンパニー代表
丘里グループは創業50周年を迎えることができました。食を通じて「喜び、幸せ、そして感動」をモットーニ「人」の魅力で他の飲食店と差別化を図り、地元茨城県古河市でナンバーワン企業であり続けることを目指しております。

丘里の全てがわかる1日研修のご案内

丘里及び私中村に興味持っていただいた方。
丘里の全てがわかる『丘里1日研修』を
開催しています。

実際に店舗に入り、
私はもちろん女将の話も聞ける
充実の研修です。

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