棚卸しを料理長の一番大きな仕事に位置付けしている理由

棚卸しは、
月次の損益を算出するために
とても重要な作業です。

また棚卸しによって、
お店の資産がいくらあったか
も分かります。

丘里において棚卸しは、
料理長の一番大きな仕事の1つ
に位置付けています。

手間のかかる作業ですが、
正確な利益を出すためには
欠かすことの出来ない大切な仕事です。

今回の記事では、
棚卸しについてその重要性
をお伝えします。

棚卸しをする目的

棚卸しとは、
月次で損益計算書を作る上で
不可欠な作業です。

棚卸しによって在庫数がわかり、
予め仕入れ原価もわかっているので、
店の資産がいくらかわかる大切な作業です。

棚卸しは、

  • 当月いくらの仕入れをして、
  • いくらの材料を使用して、
  • いくら儲かったか?

を知る上で重要です。

そのためにも、
月末にいくらの在庫があるのかを
正確に調べなければなりません。

月末に棚卸しをせず、
仕入れ金額を使用材料費にする店
をまれに見かけます。

それでは正確な使用材料費や、
利益及びロスは分かりませんので、
毎月棚卸しをしましょう。

大変な作業ですが、
棚卸しはその月の利益責任者の成績
のようなものです。

料理長と仕入れ責任者は、
時間かけて丁寧にやってください。

そのためにもなぜ棚卸しが大事なのかを、
店舗運営責任者から料理長と発注責任者
にしっかりと伝えましょう。

人は、
なぜ(=目的)を理解していないと、
行動しません。

しっかりと利益を残すためにも、
棚卸し作業は重要なのです!

画像はイメージ(写真ACより)

どんなものを棚卸しするのか?

棚卸しと言えば、
とかく食材の棚卸しを想像するでしょうが
丘里の棚卸しには3つ種類があります。

その3つの棚卸しとは、

  • 器の棚卸し
  • 食材の棚卸し
  • 人財の棚卸し

です。

上記のうち3番目の人財の棚卸し
以外の原材料に関する2つについて
それぞれ解説します。

器の棚卸し

丘里では毎月15日前後に
器の棚卸しを実施します。

器の棚卸しをして数を把握しておかないと、
宴会とかでいざ使おうと思ったら
「足らなかった」という事態に成りかねません。

これを防ぐ目的と
スタッフに割らないように気をつけてもらう
コスト意識を植え付けるために実施します。

食材の棚卸し

食材の棚卸しはしっかりとやらないと
原価率に影響がでてしまいます。

確認しながら、
仕込んだ商品も漏らさず計上致します。
面倒ですが厳密に行うことが大切です。

食材の棚卸しは原則月末1回ですが、
メニュー変更時や今のように食材が高騰
している時期は毎週でも実施したほうが
良いでしょう。

もちろん、
予定している原価率を1%以上超えている
ときも同様です。

面倒がらずに、
しっかりと原因を突き止めます。

業態によりますが、
消耗品、包材、洗剤をどこに計上するか
はあなたの会社の指示に従ってください。

いずれにせよ、
経営効率表のどこかに計上します。

丘里では、
包材は原料費に計上しております。
お弁当の宅配やお持ち帰りをやっている
からです。

棚卸しの準備が大切

棚卸しを効率よく進めるためには、
事前の準備が大切になってきます。
どんな準備をしておくか解説します。

在庫数の目安を把握

準備として、
在庫金額がどれくらいあるべきか
計算して目安をつかんどきます。

この金額を理想在庫金額と言い、
今の時代エアレジなどのPOSレジで
簡単に知ることができます。

月間材料費
= 期首在庫金額 + 期中仕入れ金額 – 期末棚卸し金額

です。

倉庫及び冷凍冷蔵庫内の整理

棚卸しを正確にやるためには、
月末の仕入れをできるだけ少なくする
ことが大切です。

少なくすることで、
カウントしやすくミスも防げます。

また予め倉庫や冷凍冷蔵庫内の
在庫の整理整頓を行っておきます。
これもカウントミスを防ぐためです。

棚卸しチェック表の準備

棚卸しチェック表は本部と連携をして、
料理長又は店長が作ります。

本部機能を持っていない場合は、
オーナーと店長で作りましょう。

棚卸しチェック表がなければ、
チェック漏れが生じる可能性があるため
絶対必要です。

あれば作業もはかどります。

カウントの基準(重さ、形状、開封状態等も)
を社内で決めておくことも必要です。

棚卸しをする人によって、
基準が違っていたら正確な数値は
出ませんので必ず基準を決めてください。

棚卸しのやり方

準備までできたら、
実際にどのようにして棚卸しを
進めていくのかをお伝えします。

棚卸しのタイムスケジュールを組む

まずは
月末の棚卸しのタイムスケジュール
を作成します。

どのように棚卸しを進めていくのか、
棚卸し実施者はタイムスケジュール
を組みます。

当日動きのない食材や
倉庫、冷凍庫、冷蔵庫内の食材は
予めカウントをしておきます。

ラストオーダー終了後に、
すぐに全ての食材をカウントできる
状態にしておきます。

棚卸しの実施者

私は棚卸し実施者は、
料理長と食材発注者の2人で実施する
ことを勧めています。

棚卸しをして数字が出ることで、
料理長の仕事の成果が出る大事な仕事
の1つだからです。

料理長と発注責任者の2人で棚卸しをやる

と伝えると人件費が倍かかるじゃないか?
と言われる方がいらっしゃいます。

2人で実施することで
コストはかかりますがミスを防ぐという
意味で大切なのです。

なぜなら、
ミスが大きな金額に繋がり兼ねないからです。

棚卸しの進め方

ライスオーダーが終了したら、
棚卸しをすぐに始めます。

食材の場所ごとに
棚卸しを進めていきます。

キッチンのなかだけではなく、
ホール、デシャップ周りのものも
全て計算します。

もちろん仕込んで冷凍したものも、
金額に換算しなければなりません。

そのためにも、
前に述べた棚卸しチェック表が
重要になるわけです。

仕込んであるものは、
レシピから算出しなければ、
正確な使用料は分かりません。

細かい話ですが、
テーブル上の醤油、辛子、楊枝等
も漏らさず算出します。

正確な利益を出すためにも、
しっかりと棚卸しを実施してください。

棚卸しを終えた後の行動

以上、
棚卸しの重要性について
解説してきました。

棚卸しはあなたのお店の資産がわかる
とても重要な作業です。

棚卸しをすれば、
当然使用原価もわかり、
売上に照らし合わせれば原価率も
わかります。

その数値を分析することで、
料理長や発注担当者に指導もできる
わけです。

店舗には、
売る人、作る人、守る人がいて
経営が成り立ちます。

あなたの店で守る人はいますか?

人件費管理と並んで
原料費管理はとても重要です。

今、原料費が高騰しています。
再度見直しをして参りましょう。

この記事を書いた人

中村 康彦
中村 康彦フードスクエアカンパニー代表
丘里グループは創業50周年を迎えることができました。食を通じて「喜び、幸せ、そして感動」をモットーニ「人」の魅力で他の飲食店と差別化を図り、地元茨城県古河市でナンバーワン企業であり続けることを目指しております。

丘里の全てがわかる1日研修のご案内

丘里及び私中村に興味持っていただいた方。
丘里の全てがわかる『丘里1日研修』を
開催しています。

実際に店舗に入り、
私はもちろん女将の話も聞ける
充実の研修です。

詳細は以下のボタンよりご覧ください。