飲食店で人時売上高を上げる理由とその方法

2025年10月14日大幅加筆

昨今最低賃金が上がり、
どこの飲食店でもスタッフが
集まりづらくなっています。

限られたスタッフで
いかに効率良く動いてもらうかは、
どこの飲食店でも課題でしょう。

そこで
重要になってくるのが、
『人時売上高』です。

今回の記事では、
人気売上高の重要性と
上げる方法をお伝えします。

飲食店の人時売上高とその平均値

飲食店における人時売上高とは、
スタッフ1人が1時間でいくら
売上を上げたのかを表します。

計算式は
人時売上高=売上 ÷ 総労働時間
平均というか指標は5000円です。

高ければ良い
というわけではありません。

高すぎれば、
お客様に満足が行くサービス
ができなかったことになります。

逆に低い場合は、
シフト調整やオペレーション改善
が必要となってきます。

人件費がかかってしまうからです。

このことからわかるように、
飲食店が利益を上げる上で、
とても大切な数値なのです。

一方で人時生産性とは
スタッフ1人が1時間あたりに
どれくらいの粗利(利益)を
生み出しているか?の数値です。

計算式にすれば、
人時生産性=粗利高 ÷ 総労働時間
になります。

仮に粗利70%で
人時売上高が5,000円でしたら
人時生産性は3,500円になります。

この数値を基準にすると良いでしょう。

丘里のスタッフたち

飲食店で人時売上高を上げる理由

飲食店で人時売上高を上げる
ことは今の時代必須です。

なぜなら、

  • 最低賃金の上昇
  • 食材費の値上がり
  • 光熱費の高止まり

この3つの悪条件が揃っており、
飲食店経営を圧迫しています。
結果利益が出にくくなっています。

当然、
利益が出ない飲食店は
つぶれてしまいます。

効率化をしていかなければ、
きれいごとではなく
店は閉店へと追いやられます。

もちろん、
作業手順の見直しも必要
になります。

丘里では時間短縮のために、

  • 皮を向いた玉ねぎ
  • 刻んだねぎ
  • 冷凍の大根おろし
  • おろし生姜
  • きのこの水煮
  • 竹の子水煮
  • ふきの水煮
  • ぜんまい水煮

などを使っています。
また最終工程手前まで仕込みをし
冷凍することもありです。

そのためにも、
凍結機や真空パックを導入する
のもお勧めです。

人時売上高を上げるためのスタッフの意識付け

人時売上高を上げるための
具体的な方法を伝える前に
とても大切なことをお伝えします。

それは
スタッフの意識付けの話です。

丘里のお店では、
スタッフ1人1人に役割があります。

ホールトップの女将は、
客数、売上、客単価アップのために

  • マーケティングをしっかりやり、
  • お客様との信頼関係をつくり、
  • お客様のウォンツ及びニーズを訊き、
  • 料理と飲み物のおすすめします。

もちろん
基本はお客様が注文を決めています。

しかし、誤解を恐れず言うなら、
女将又は女将に準ずるスタッフが
決めて差し上げているのです。

ここを間違えると押し売りになりますし、
信頼関係が築けていないお客様に対しては、
二度と行きたくないお店になるのです。

総女将である旬おかさとの女将である
石塚女将に会いに来られるお客様は多いのです

常に私はスタッフに対して、

「あなたでなきゃならない理由は何かを
 明確に言えるようなサービスをしてください」

と言っております。
例えば、

「私を1時間使うことで、
 時給の4倍以上の売上を
 追加オーダー等で作れる」

と言うことができれば、
そのスタッフを使う意味
があります。

「あなたじゃなくちゃだめだ、
 やっぱりあなたなんだ!」

と言ってもらえるスタッフになろう
と伝えています。

シフトに入るスタッフを選ぶ際も
4倍以上の売上を作るスタッフを
優先的に使います。

ここは
時給が高いかどうかは関係ないのです。
入ってもらう価値があるかどうかです。

私は19才から22才までの3年間
ベルギーブリュッセルの
日本レストランで働いていました。

スタッフ32名中半分は日本人、
残りの半分はベルギー人でした。

外国人は給料に関して、
これだけのことをするから
これだけほしいと言ってきます。

丘里も給料は自己申告です。
その基準は1人1人の生産性です。
もちろん、利益を出している前提です。

利益は全てのスタッフの知恵の総和です。

利益に対する考え方を
パートアルバイトスタッフに至るまで、
トップが落とし込んでいるのかが大切
になるのです。

あなたの会社の経営理念
スタッフに対し明確に伝えることで、
スタッフの意識は確実に変わります。

お給料は会社から出るものではなく、
お客様から戴いているという
明確な意識を持つことです。

具体的な飲食店で人時売上高を上げる方法

では人時売上高を上げる考え方を
理解していただいた上で具体的に
上げる方法をお伝えいます。

こだわりに優先順位を付ける

私はメニュー開発時に、

  • 他店にはないもの
  • パートスタッフでも作ることができる

というこだわりを持って
メニュー開発をしています。

参考記事

もっと言えば、
そのこだわり以外はある意味、
捨てています。

つまり、
こだわりに優先順位を付けて
いるのです。

このこだわりが、
人時売上高を高くしています。

なぜでしょうか?
それは力を入れるところを明確に
しているからです。

これはパレートの法則と言って、
優先順位上位20%に100%の力を注ぐと、
成果の80%は出ると知っているからです。

売れない商品に時間をかけても
無駄な労力を注ぐだけです。
職人でもある料理人の落とし穴でもあります。

私が開発したメニューは、
確実に売れることを35年間で実証
しているメニューたちなのです。

だから、人時生産性が上がるのです。
だから、売上が上がるのです。
だから、利益が上がるのです。

私の開発したメニューの1つ帆立のもろこし焼き

スタッフを育成する

ピークでおすすめトーク等で
客単価を上げれるように日頃から
トレーニングをすることです。

ピークを過ぎたら人員を減らすことです。

やたらにやってしまうと、
もちろん労働基準法に触れてしまう
ことになります。

スタッフに自発的に言ってもらうために、
信頼関係と飲食店経営について理解して
もらうことです。

理解してもらうことで、
「そろそろ上がりましょうか?」
とお店が落ち着いた時にスタッフが
申し出てくれます。

実際に丘里では
そのように申し出てくれる
スタッフが多く存在します。

実際は稼ぎに来ているのですから、
暇な時に上がっていただくことは
心苦しいです。

しかし、
スタッフの間で信頼関係があれば、
容易にコントロールできるのです。

厨房機器で人時売上高を上げる

厨房機器でも
人時売上高を上げることは
できます。

  • スチコン
  • フライヤー
  • 釜めし炊き機
  • ライスロボット
  • 凍結機

などを使うことで人時売上高を
上げることが出来ます。

力を入れる優先順位を決め、
人間の力を使う部分と
機材を使う部分を明確にすることです。

そうすることで、
確実に利益は上がります。

スチコン
今の時代飲食店でスチコンは必須ですね

人時売上高を上げる鍵は目標設定と達成時の評価

人時売上高を上げる鍵はトップ
あるいは実際にお店指示を出す
店長次第です。

店長はしっかり

  • 売上予測
  • 出数予測
  • 人員配置

をすることです。

これを
計画→実行→確認→コントロール
していくことです。

その中でいかにして、
生産性を上げる人員を配置
できるかが重要です。

そのためにも、
店長が目標を達成するための、
目標設定と評価は必須です。

達成時の評価があるからこそ、
店長は動きます。

丘里には
店長を評価するための仕組み
があります。

またその評価は、
賞与や年1回の経営方針発表会
で表彰をしています。
しっかりと利益を残すのは、
店長の腕にかかっています。

その店長を育成するのは誰ですか?
経営者であるあなたですよ。

もし店長の教育に不安なら、
各種研修をご活用ください。

この記事を書いた人

中村 康彦
中村 康彦フードスクエアカンパニー代表
丘里グループは創業50周年を迎えることができました。食を通じて「喜び、幸せ、そして感動」をモットーニ「人」の魅力で他の飲食店と差別化を図り、地元茨城県古河市でナンバーワン企業であり続けることを目指しております。

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