飲食店における衛生管理の重要性
2022年9月1日リライト
飲食店にとって、
一番大事なことは衛生管理
ではないでしょうか?
特に暑くなる6月からは注意が必要です。
最近はもっと早くなっていますが…
一度食中毒を起こしてしまったら、
閉店まで追い込まれることもあります。
今回の記事では、
わが社の過去の失敗例を踏まえて、
飲食店における衛生管理の重要性
をお伝えします。
なぜ飲食店は衛生管理が重要なのか?
飲食店では、
✓ 客数、売上げ、客単価等の数値的なもの
✓ 商品力、接客力、店舗力等非数値的なもの
を目標にして両輪で日々経営をしています。
しかしながら、衛生管理がきちんと
ルールに乗っ取って出来ていなければ、
クレームが発生し店の評判が失墜します。
最悪の事態である食中毒等出してしまえば、
お客様から信用信頼を100%失くします。
私の会社でも2度経験をしておりますので、
商品力、接客力、店舗力以前に一番力を
いれなければならないと痛感しております。
以前は、
衛生管理を後回しに考えることもありましたが、
失敗から反省をし、
優先順位の一番を衛生管理と捉え、
日々営業しております。
どんなに売上げがよくても、
衛生管理状態が悪ければ最悪営業できない
ですからね。
社員及びスタッフの衛生管理の徹底
まずは社員やスタッフができる
衛生管理についてお伝えします。
かなり基本的なことですが、
基本だからこそ大切な内容です。
身だしなみ
まずは身だしなみです。
男性スタッフは、
髪の毛が襟につかず耳につかずの
長さに徹底しています。
(守れないスタッフは入店出来ません)
女性スタッフは、
前髪が垂れないようにまとめていただくか、
後ろで縛っていただきます。
男女キッチンスタッフは、
ネットをさらにかぶって三角巾か帽子
をかぶります。
飲食店では、
髪の毛の混入クレームが一番多い
からです。
コロコロ等を使って
ユニフォームの上からもあてるよう
にします。
爪を伸ばすことやマニュキアも禁止です。
手洗い
30秒手洗いを徹底しています。
アルコール消毒をし、
殺菌灯の付いている乾燥機に手をあて、
完全に菌をゼロにして仕事に入ります。
もちろん、
外から帰った時やトイレのあと、
下に落ちたものを拾った時等も
随時徹底して手洗いをやります。
体調管理
体調管理は、
毎日体調を聞き体温を記録します。
体調不良(発熱、下痢等)の場合は、
帰っていただいております。
店内の衛生管理の徹底
今度はハード面で取り組める内容です。
特に最近の猛暑は凄まじいものがあり、
食材の傷みも顕著です。
未然に防ぐためにも抑えておきたい
ポイントばかりです。
食材管理
まず食材管理の前提があります。
それは、調理前及び調理済の食材について
保管方法、消費期限、調理加工後の賞味期限
を明確にしておくことです。
決めたらシールや強付箋などを使って、
賞味期限を表示します。
仕込み後のルールも大切です。
煮炊きもの等は氷で一気に冷やし、
タッパに汁洗いをして冷蔵庫にしまいます。
毎日味見をして、
物にもよりますが2日で使いきる
ルールにしています。
又は再度火をいれる場合もあります。
冷蔵庫の中は、
先入れ先出しはもちろんのこと、
毎日整理整頓して仕事を終えます。
全ての冷蔵庫及び冷凍庫の
温度チェックを1日4回行ってい、
所定の用紙に記録します。
問題がある場合は、
すぐにメーカーに来ていただきます。
また使用するまな板や包丁などの
調理器具の殺菌も重要です。
もちろんあなたの手指もです。
先にも述べたように、
飲食店にとって衛生管理は最も重要な
項目の1つです。
最重要項目だからこそ、
弊社では衛生管理の責任者は、
各店の料理長が担当しています。
衛生管理会社に検査を外注
内部の検査体制だけでは、
どうしても見落としがあるために、
弊社では外部の調査機関も活用しています。
外部の衛生管理会社に依頼をして、
✓ スタッフの手洗い後の菌検査
✓ まな板、包丁、調理台、冷蔵庫のとっての部分、布巾等菌検査
✓ 年2回の検便
✓ 年4回の抜き打ちの菌検査
など様々な部分で依頼しております。
10月~3月はノロウィルスの検査も
毎月実施します。
冷蔵庫の温度チェック表等
記入漏れはないかもチェックされます。
報告会を定期的にして、
店舗ごとに点数を付けていただき、
指導も受けております。
指導された内容は即改善です。
勿論、責任者である料理長の評価
にも直結します。
衛生管理マニュアル類の整備
衛生管理のマニュアル類も整備してます。
✓ 手洗いマニュアル
✓ 清掃マニュアル
✓ 食材の保管方法のマニュアル
などです。
また食中衛生や食中毒に関しての
知識を深めるための勉強会も行っています。
内容は参加できなかったスタッフへ
すぐにフィードバックされる仕組み
になっています。
もちろん初回のオリエンテーション時には
衛生管理についての説明もしています。
わが社の失敗例
ここまでいろいろと述べてきましたが、
実は弊社は50年間で2回の食中毒事件
を出しております。
1度目は、
アニサキスによる食中毒で、
患者さん1名でした。
営業停止2日間でした。
2度目は、
サポウィルスによる食中毒で、
患者さん30人を出してしまいました。
原因はそれぞれありますが、
マニュアルが明文化されていませんでした。
チェック機能もありませんでした。
マニュアルがあっても、
使いこなしていなければ
何の意味もありません。
こういったある意味事件が起こると、
売上げは40%以上下がります。
弊社のように、
地域密着型の店ですと
全店舗で売上げは下がります。
戻るまでに半年かかりました。
倒産する会社もあると思います。
誠心誠意お詫びいたしましたが、
お客様にとっては苦痛の日々だったと思います。
思い出すと胸が苦しくなります。
ちなみに、
2回目の事件では自主的に7日間の営業を取り止め、
3日間の営業停止処分が出ました。
売上げが無くなることはもちろんのこと、
知らずにご来店されたお客様を店に入れられない
辛さは言葉では言い表せません。
どんなに美味しい料理を出しても
どんなに女将が素晴らしいおもてなしをしても、
お店を開けられない辛さと情けなさは
今でも忘れられません。
たった一度のミスが
信頼度0になってしまったのです。
コロナ時代を見据えた更なる衛生管理
コロナもあり、
お客様は衛生管理について
以前よりも敏感になりました。
働いているスタッフも
店の外に出たらお客様であり、
広告塔なのです。
店の中のことを自慢できるような
店舗運営をしなければなりません。
だからこそ衛生管理は重要なのです。
お客様からの信用信頼を得ることが
私達の使命です。
店内入る時の消毒は勿論、
ご案内の時にも消毒液をテーブルに
おいております。
クラスター防止の意味も含め、
お客様同士の間隔を開けるようにして、
個室には以前の半分の人数制限をしています。
お客様に安心して利用できることを
第一に営業することがコロナ禍では
重要と考えています。
コロナ禍においても、
来店頻度が上げることや、
違う利用動機を促すことや、
テイクアウト商品を増やすことで
売上アップの可能性はまだまだある
と思っています。
食品衛生の責任
私たちの飲食店は、
食品衛生法に基づいて営業
をしています。
食品衛生協会に入会して、
食品衛生の向上に努めています。
万が一お店の責任で食中毒等を
起こしてしまった場合は、
・社会的責任
・行政上の責任
・民事上の責任
・刑事上の責任
まで負うこともあるのです。
スタッフ1人1人に衛生管理の目的
を理解してもらいましょう。
トップである経営者を含め、
スタッフ1人1人の自覚が大切
になってきます。
私どもは失敗から学んで成長して参りました。
衛生管理の大切さをどの企業よりも理解しています。
今回は敢えて弊社の失敗例を書きました。
料理長研修、経営者研修にて、
マニュアルの提供や衛生管理会社の紹介
も致します。
あなたのお店が衛生管理をしっかりされ、
益々成長されることを切に願います。
この記事を書いた人
- 丘里グループは創業50周年を迎えることができました。食を通じて「喜び、幸せ、そして感動」をモットーニ「人」の魅力で他の飲食店と差別化を図り、地元茨城県古河市でナンバーワン企業であり続けることを目指しております。
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