飲食店メニューの価格設定について考え方や計算方法を解説

2025年9月7日リライト

あなたのお店のメニュー
どのようにして価格設定
していますか?

どんなにおいしいメニューでも
値段が高すぎればお客様は満足
してくれません。

逆に安くし過ぎてしまえば、
お店の経営が成り立ちません。
挙げ句お店の価値も落ちます。

価格とは価値です。

今回の記事では、
飲食店でのメニューの価格設定
についてその仕方をお伝えします。

飲食店でメニューの価格設定の考え方

飲食店の価格設定はとても大事です。
食材費が300円だからその3倍で900円
という安易な値付けではいけません。

戦略を立てて
ターゲット客層、業種業態を踏まえて、
価格設定をすることが大切です。

更に丘里では、
お客様の心理や消費税のことも
考えて価格設定をしています。

あなたの店は何をもって選ばれているか
を知ることから始めましょう。

価格を決める場合は、
原価から考えるのではなく、
粗利から考えると良いです。

ここ重要です!

例えば、
原価200円の商品を500円で売ると
粗利300円です。原価率は40%です。

原価100円の商品を300円で売ると
原価率は33.3%ですが粗利は200円
になります。

飲食店経営においては、
粗利額をどれだけとれるかが
儲かる秘訣です。

どんなに原価率が低くても、
粗利額がとれなければ
儲けは少なくなってしまいます。

儲けが少なければ、
会社が使えるお金が減ることになり、
当然給料も高く払えません。

一般的に飲食店経営は、
食材費30%と人件費30%で60%
その他の費用が15%、初期条件20%
残りが利益になります。

商品に手間ひまかけて
原材料費を押さえて人件費をかけるか?

人件費をかけずに
完成品を最終工程だけやって
仕上げれば原価率は上がりますが、
人件費は下がります。

FCで展開を考えるなら、
原価率+人件費で55%以下にする
と良いでしょう。

昨今人件費が上がっていますので、
28%以下で粗利益がとれるメニュー開発
は難しくなっています。

私が開発したオリジナル創作商品は
原価率20%以下で出来ます。
人件費も25%以下で作ることが出来ます。

ご興味のある方は
料理長研修にて公開しております。

オリジナルメニュー
『鯛のかぶと煮』

メニューの値段の決め方と設定方法

では具体的にメニューの値段を
どのように決めたら良いでしょうか。
以前にも書きましたが、

  • 馴染み商品の売れ筋商品
  • 説明して売れる売り筋商品
  • その店にしかない名物商品

と分かれます。
売れ筋商品はお客様が絶対価格
を持っています。

参考記事
飲食店におけるメニュー構成の考え方

例えば、生ビールなら、
中ジョッキ500円前後とか、
唐揚げは480円~580円位とかです。

画像はイメージ(写真ACより)

これより安ければ、安いと感じ、
高ければ高いとなります。

ここで安く感じさせて、
売り筋商品及び名物商品でしっかりと
利益を作る努力をするのがベストです。

価格も下2桁が
「00円」「80円」「90円」がよい
でしょう。

業態にもよりますが、
居酒屋の場合客単価を5.5で割ると
単品の平均的な単価が出ます。

詳しくは料理長研修でお伝えします。

説明力の必要な売り筋商品を使って
価値をどう伝えるか?

その店にしかない名物商品を
開発することが大事なのです。
詳しくは女将研修でお伝えします。

価格の決め方は、
商品力、接客力(説明力)、店舗力
で決めて行きます。

安売りはせず、価値を創り、
価値を伝えることが大切です。
全てはオンリーワンを目指して。

昼メニューと夜メニューを考える前に、
各時間帯にどんなターゲット客層に来て
いただきたいかを明確にしましょう‼️

価格設定はターゲットありき

2店舗目出店した時のことです。
市役所の敷地内に作った和食の
店舗でした。

市役所の要望もあり、
日替わりランチを700円
でやりました。

結果、
12時10分には100席満席です。
全員市役所の職員の方でした。

ランチの売り上げは7万5千円位です。
スタッフは15人位配置しての営業です。
が、全く利益が出ませんでした。

そこで客単価を1380円まで
あげるようなメニューを作り、
日替わりランチを限定15食にしました。

当然職員の方は来なくなりましたが、
本当に来て欲しい40代から60代の女性に
喜んでいただけるメニューに替えました。

和食丘里古河店のランチメニューの1つ

職員の方からは
様々なご批判はありましたが、
成功事例です。

現在その店舗の
客単価は1400円くらい、
売り上げは15万前後、
スタッフは、7~8名です。

市役所の職員の方が10%位になり、
日によっては予約で満席の日もあります。

要はコスト及び利益を考えて、
晴れの日需要のランチメニュー
に替えたのです。

ターゲット客層を決めて、
その客層にあったメニューを考案し、
目標売上を達成する。

夜メニューも同じですが、
この店はまちなかにあるため、
家族客にターゲットを絞りました。

個室風のスペースも多く作り、
家族の団らんの場所に使って
いただいております。
もちろん、
宴会にも対応しております。

夜メニューは、
おすすめ商品を7~30品用意
しております。

季節の御膳は年間4~5回変え、
常連のお客様に飽きさせないように
工夫します。

価格に意味を与える説明力と提案力

丘里でお客様のオーダーを取ることは
丘里の「オーダー取り試験」に合格した
スタッフしか受けられません。

つまり、
丘里ではオーダーを取る接客を
重要視しています。

このときに大切なこととして、
お客様が注文したものを受ける
のではなく、

お客様が食べたいものを聞き出し、
受けたスタッフが料理を提案する
ことです。

かなりレベルの高いことです。

しかし女将たちはもちろん、
試験に合格したスタッフたちは、
これをやっています。

一昔前までは
「接客力」と言っていましたが、
今は「提案力」「説明力」と言っています。

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お客様の状況に合わせて、
どのような料理を説明及び提案
できるのかが大切なのです。

すると結果として、
お客様が料理の価値を感じて頂き、
価格にも満足して頂けるのです。

最終的には、
お客様と料理を提案する女将さん
との信頼関係が大切になってくる
のです。

価格の見せ方の工夫

最後に価格の見せ方です。

価格というかメニューの見せ方
としてよくあるのが、

  • ランキング表示にする
  • 店長おすすめシールを貼る
  • 『迷ったらこれ』シールやページを作る

などあります。

これをやることで
お客様が選びやすくなります。

結果オーダーが集中するため
キッチンのオペレーションが
しやすくなります。

価格の見せ方の基本は、
単一価格 or 3つの価格にする
ことです。

価格はシンプルが一番です。

一品料理は380.580.780円
又は390.590.790円という
価格に設定しております。

丘里の御膳中心の店では、
390円シリーズを15品やっています。
これで単価アップを計れます。

なかなか御膳を食べて、
他に高単価商品は追加になりませんが、
原価率の低い商品を390円の単一価格
で売ると客単価アップに繋がります。

もちろん、
追加ドリンクや追加デザートも
客単価アップに繋がります。

どんなお客様が、
何を求めて来店しているかを
知ることが重要です。

知らなければ、
おすすめメニューも書けませんし、
おすすめトークも出来ません。

お客様を知ることが大事です。

せっかく私どもの店に来店されたなら、
ぜひこれを召し上がっていただいきたい
という看板商品・名物商品の開発が急務
なのです。

そのために価値を伝える、
説明力』『提案力』『接客力』
を身に付けましょう。

この3つの力は私が重要視するところで、
女将研修にてロールプレイングをしながら
しっかり女将リーダーが指導します。

この記事を書いた人

中村 康彦
中村 康彦フードスクエアカンパニー代表
丘里グループは創業50周年を迎えることができました。食を通じて「喜び、幸せ、そして感動」をモットーニ「人」の魅力で他の飲食店と差別化を図り、地元茨城県古河市でナンバーワン企業であり続けることを目指しております。

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